〈終堆石〉

 

2021年冬発行 短篇集

 

「Aplysia」

かつて副業として受けた装丁の仕事、それに少女から絵葉書が届くようになり数年したある日、絵葉書は姿を変えていた。

文系理系アンソロジー『雪がとけたらなにになる?』理系編 -WATER- 寄稿作

 

「マッチ売りの少年」

撃たれても、食事をしなくとも、マッチを売らずとも死にはしない、けれどそれでも少年はマッチを売ろうと街を彷徨う。

 

「ロシアンブルーの爪」

猫のニビは四人家族の家に来た。入れ代わり立ち代わり、家の中の空気は色々な顔をしている。

猫アンソロジー『手のひらに猫』寄稿作

 

「カフェー・ヴァルゴのスピカ」

気の向かないまま足を運んだ会員制の”カフェー”にて、青年は全く”らしくない”女給を見つけた。格差が大きく生まれがものをいう未来に、その女給は何をみているのか。

テキレボアンソロ「手紙」寄稿作

 

「濫觴 -signal-」

ヌテラ、芒果布丁、栗あんぱん……アイデンティティが生まれたところや育ったところ、生活、ルーツに根付くものであるならば、この横たわる海をどう捉えればいいのだろう。

港町アンソロジー『PortRay』寄稿作