新たな岸辺より

はじめまして、或いはいつもお世話になっております、桜鬼です。

今年もまた創作TALKの時期がやってまいりましたね。ななさん、毎年どうもありがとうございます。

 

2020年はコロナ禍で、2021年も引き続き緊張の解けない日々でしたが、そのような社会情勢とは裏腹にわたし個人は心穏やかな一年を過ごすことができました。数年前の自分にはこのような未来想像もできませんでしたが、理不尽に怒鳴られることも罵倒されることもetcもなく、思う存分に仕事ができるって本当に素晴らしいですね……

 

創作をするのに、心穏やかなときと荒んだときとではどちらがより捗るのだろうかという問いの答えはわかりませんが、心に余裕があると色々吸収できるのでインプットは間違いなく捗ったかなと思っています。

ミュージカル、バレエ、オペラ、宝塚、歌舞伎、文楽、能・狂言、演劇……舞台ものは大方制覇したのでしょうか、あとは印象派や新版画、実演としては日本舞踊、練習だけならフルートも。人付き合いがなくひとりだからと下半期はひたすら文化月間な日々でした。

執筆は……常に遅筆で寡作なので何とも言えませんね……

 

掌篇「萌黄の先」*ペーパーウェル06

短篇「巡り巡る」*スタバアンソロ『さめない』

掌篇「それは何処かにも降る光」*ペーパーウェル07

短篇集『終堆石』*2019-2020執筆寄稿作等の改版再録

 

2021年に表へ出したものとしてはこんな感じです。

書き下ろしたものは合わせて一万字もいっていないかもしれません。

この他に公募原稿を一作上げているので見えないところでは多少書いているのですが、まあ相変わらず少ないですね。

ただ兎に角沢山書きたいという欲求があるわけでもないため、十枚以上の書き下ろしを一本発表しているし、とノルマは達成したような気でいます。

 

因みに短篇集『終堆石』は数日後からの頒布になります。

自分なりに、一年のうちには書き下ろしを一本と自分で発行するものを一冊以上は表へ出したいと思っていて、それが直ぐ上でも述べたノルマのようなものなのですが、一冊以上、に関しては今年はとってもぎりぎりでしたということですね……

 

「Aplysia」*文系理系アンソロジー『雪がとけたらなにになる?』理系編 -WATER-

「マッチ売りの少年」

「ロシアンブルーの爪」*猫アンソロジー『手のひらに猫』

「カフェー・ヴァルゴのスピカ」*テキレボアンソロ「手紙」

「濫觴-signal-」*港町アンソロジー『PortRay』

 

これら五本を改稿したわけなのですが、入稿も中々にぎりぎりでした。

このブログのはじめに載せたのが装画でして、すり餌様に描いていただきました。

納品もこれからなので仕上がりがとってもとっても楽しみです。

 

終堆石、というのは「氷河の末端に氷がとけるときに置き残された岩片」でして、書いていくうちに引っ搔いたりえぐったり磨いたりして完成されていくイメージと重ねました。

基本的にわたしの書くものは、どちらかというと冷たい印象のものが多いらしいのですが、そうした印象、硬質な感じからも終堆石という表題は自己紹介のような語になればいいなと思うところです。

 

 

イベント等についてはご覧の通りなのですが、やはり基本は委託でしたね。

頒布数に限って言えば対面が間違いなく一番ではあるのですが、コロナ禍では少々厳しく、まだ暫くは文フリ等も考えていないというのが正直なところです。

ただ新刊の動きについては案外コロナ禍でも変わらない様子が見られたりもしまして、そこは嬉しくありがたいことでした。

 

最後に2022年ですが、いつも通りマイペースに書き下ろしと発行と公募とをひとつずつは仕上げたいなと思います。

みなさんもいい創作ライフを送れますように。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2021.12.25

波の寄る辺 桜鬼