嵐というより暗礁のような

 新年、何と挨拶をしたらよいものか悩むところではありますがはじめまして。或いは本年もどうぞよろしくお願いします。桜鬼です。

 

 さて、創作TALKということで、先ずは2020年を振り返ってみたいと思います。

 2020年1月、わたしは同人活動の一時休止を決意しました。なんとぎりぎりコロナ禍以前のお話です。というのも、本当にコロナとは全く関係なく自身の人生の転機らしき気配を察知いたしまして、正直同人イベントへ顔を出す余裕がなくなるだろうなと、そう思い至ってのことでした。実際、コロナ禍に突入し更に想定外の展開が待ち受けていたとはいえ、どうやら自身の勘と判断に間違いはなかったようで、今のところ明日の心配は健康面(つまりはコロナに感染する可能性)のみとなりました。平日は変わりなく都内へ出る日々ながらも、うつらないようにうつさないように気をつけていきたいところです。

 とまあそんなこんなで2020年は静かに創作以外のかじ取りで必死になっており、書いたものとしては掌篇が四本と未完の短篇が一本、それから詩が十九篇のみでした。

 

掌篇

 『terminal』 ※ペーパーウェル04参加作

 『カフェー・ヴァルゴのスピカ』 ※テキレボアンソロ「手紙」参加作

 『稚児の舟旅』 ※ペーパーウェル05参加作

 『蟹のそら』 ※公募

 

短篇

 『暗転する校舎の、反転しない少女たち』

 

詩篇

 鹿の鳴く場景 鹿は鳴く 詩人に生まれたなら *夏檸檬、 *花曇りの薬玉 ネオンテトラ 淀み 蛤 竹藪

 静かな窓辺 *練習風景 背景 *20.05 *縮図 *炎天下 *蜻蛉 *混濁圏

 ※*詩集『帆影』に収録

 

 また、発行できたものが短篇『磯の口止め』です。

 これは2019年に書いたのですけれど、イベントにでる当てもなく眠りかけていたものをテキレボEX2に向けて改稿しました。有難くも凪野さんの助言を得まして織田作之助青春賞の選考にちょろっとばかし引っかかった作品でもあります。(この結果に関しては正直少しほっとしました)

 元来あまりがつがつできる質ではないので、書いた量が少なかったことに対しては「まあそんなもんだろう」という感じです。何たって端から遅筆ですし。筆がのらなきゃ放っておきますよ。一、二年書かなくたってまた書き始めたらそれなりに試行錯誤はしていくのでしょう。

 あと2020年で有難く嬉しかったのが、主宰した港町アンソロジー『PortRay』の売れ行きですね。そろそろ発行から割と経つのでテキレボEX2を最後にイベント及び通販での在庫はゼロにしますが、神戸の書店「1003」さんでお世話になる在庫はもう暫くもたせたいなと思っています。

 そして2021年はというと、緊急事態宣言もでたばかりで対面のイベントはまだまだ暫く難しそうですね……

 テキレボEX2は1月11日までやっているので先ずはそちらを楽しむとして、一応春の旅チケットにも申し込んではいるのですが、この感じではキャンセルの線が濃厚でしょうか。

 兎も角、あまり目標を立てずにのんびりやろうかなと思います。一本くらいは何処かの公募に出せるといいかなあ、というのと、完結していない『暗転しない校舎の、反転しない少女たち』が書きあがるといいなあ、という希望だけは持ちつつ。

 それからあとはそうですね、積読を減らしたいです、ええ。本棚を増やして積読を減らしつつ蔵書は増やしていきたいです(強欲)

 何というかこう、否が応でも環境に左右されそうな局面なら無計画な方がかえって精神に優しいのではないかと、ぼんやり月間に突入しているこの頃なのでした。

 

 と、纏まりのない話に最後までお付き合いくださりどうもありがとうございます。

 寒気にコロナに厳しい状況が続いていますけれど、どうか少しでも幸の多い年となりますように。

 

2021年1月7日 桜鬼